どうしても入れ歯が合わない・食べられない!そんな方への入れ歯安定剤の正しい使用方法
こんばんは(#^^#)
入れ歯が使いこなせない方や気持ち悪くて使えないって方は沢山いますよね。
訪問診療に行くと、どうしても使いこなせない高齢者の方は沢山います。入れ歯が使えず食事量が落ちるようなら、訪問診療では入れ歯安定剤を使ってもらうように指導することもあります。
なので、今日は正しい入れ歯安定剤の使い方を説明していきます。
どうしても入れ歯が合わない・食べられない!そんな方への入れ歯安定剤の正しい使用方法
[もくじ]
①入れ歯安定剤の種類・特徴
・クリームタイプ
・粉末タイプ
・シートタイプ
・クッションタイプ
②入れ歯安定剤と掃除の仕方
③ぴあすの個人的意見
でお話ししていきます。
入れ歯安定剤の種類と特徴
クリームタイプ
粘着力が強く・柔らかい為に伸ばしやすい。粉末のタイプより粘着力が強いのがメリット
*粘着性が高い為に入れ歯を洗う時に苦労する。
訪問診療すると、入れ歯安定剤を入れ過ぎの人がとても多いです。入れ歯からこぼれてますよって方は入れ過ぎなので注意して下さい。
クリームタイプの安定剤は伸びるので少量で大丈夫です。
上の総入れ歯の場合は奥歯の左右2か所くらいと真ん中に1か所くらいで十分です。
入れ過ぎると掃除に時間がかかります。
粉末タイプ
粉末が均等に広がる為に違和感が少なく入れ歯を洗う時も取りやすい
*唾液と混ざることで、粘力が増すので唾液の少ない人には向いてない
粉末タイプを使ってる人は、私の周りに限りますがほとんど見かけません。
高齢になると唾液の分泌量が減っている人が多いので、使用しても安定が悪いのかもしれませんね。
シートタイプ
クリームタイプと同等の粘着力もあり持ち運びに便利・水に浸けたシートを入れ歯に貼ります。
*使用するときに水が必要
シートタイプを使用している人は時々見かけます。シートタイプの安定剤を使用する人からの『どこに貼るのが正しいですか?』の質問をよく受けます。
説明書、『読んでないんかーい』っと突っ込みたくなりますが、説明書の文字って基本どれも小さいですよね~。目の悪い人や高齢者に優しくない(+o+)
重要な所は文字を大きくするなりの工夫をして貰いたいですね~。
話を戻しますが、シートタイプも商品により違いはありますが付け過ぎは顎にもよくないので注意してくださいね。説明書をよく読むことも大切です。
クッションタイプ
クッション効果で合わない入れ歯による痛みを緩和できる。食べカスが侵入しにくい
*連続して使用すると顎の間接や粘膜に悪影響を及ぼす
1番落とすのに苦労するのがクッションタイプですね~。歯科医院にも安定剤を付けっぱなしで来院される方がいますが(;^ω^)中々、外れません。安定剤を付け過ぎている人が多く、歯茎にもべったり張り付いてて落とすのが非常に大変です。
クッションタイプは安定性も良いので食べやすいかもしれませんが、歯槽骨(歯茎の中の骨)が吸収してきたり、顎の関節にも悪影響が出やすいので短期的に使って貰いたいですね。
入れ歯安定剤と掃除の仕方
単刀直入に言ってしまえば
【安定剤を綺麗に拭き取って入れ歯のヌルヌルをしっかり取ろう】です。
入れ歯の安定剤をしっかり除去できたら、こちらの記事を参考にしてみて下さい↓
ぴあすの個人的意見
入れ歯安定剤を使う条件としては【どうしても、使いこなせない人】に限ります。
そもそも、【入れ歯はそのまま使う物】です。
いきなり、安定剤を使ってはいけません。安定剤の使用を考えるのは歯科医に修理や調整をしてもらってからの話になります。ここだけは、お間違いのないように。
私が出会った人の中には、嘔吐反射が強い方(フルデンチャー)の場合や入れ歯が合わずノイローゼになりそうなどと言われたこともあります。
歯科医院に来院できる人は生活の質を上げる為には、インプラントなどを検討してみるのも良いかも知れませんが往診はそうはいきません。
感の良い人はお分かりになりましたか( *´艸`)?
往診ではインプラントのような大きい治療はできないからです。また、沢山の疾患を持っている人が多いので現実的ではありません。
高齢者の大きな楽しみの1つは食べることです。なので食事量が落ちるほど食事ができないなら、食事の時は入れ歯安定剤を使って食事をして貰おうと思っています。この事は歯科医ともよく話し合って決めました。歯科医の定期チェックも継続しています。
また、カラオケが好きな人・入れ歯を気にせず会話したい人など、ニーズは多様で切実なのです。なので本来歯科医や歯科衛生士は入れ歯安定剤の使用はあまりお勧めしませんが、往診に限っては短期的に使用を勧めることもあります。
入れ歯安定剤については歯科衛生士学校では勉強しないことですが、往診を始めてから個人的に勉強しました。
正しく使えていない高齢者の方はとても多いので、正しく指導し美味しく食事を楽しんで貰いたいなと思っています。
今日も読んで頂きありがとうございました。