ぴあすの口腔ケアドットコム

歯科衛生士の目線からのお話です。

寝たきりの方への口腔ケアの手順

寝たきりの方への口腔ケアって難しいですよね?歯が無いのにケアする必要があるのかな?なんて思ったり、口を開けてくれなかったり、痂疲の除去の仕方が分からなかったりと色々あります。なので今日は訪問歯科衛生士が教える 寝たきりの方への口腔ケアについて書いていきます。

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①身体の調子を確認 

口腔ケアを始める前に身体の調子を確認することはとても大切なので必ずしましょう(^^)/

 

『今日は微熱があります。』とか、『昨日は熱があって食欲がないようです』など 

家族と一緒に住んでる時は家族に聞きましょう。

 

老々介護の場合、介護している方がよくわかっていない時もあります。そういう時は連絡ノート(看護師さんやヘルパーさんの連携)を確認したり自分自身でバイタルチェックを行いましょう。

  

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体調が悪い時は、手早く口腔ケアを済ませましょう。  手早くした場合、プラークが取り切れなくて歯科衛生士たるやモヤモヤした気分になります。私も最初の頃はそうでした。

 

でも、それで良いんです。

 

完璧にするよりも、菌数を少しでも減らしてあげれば良いと思います。そして体調の良い日に丁寧にケアをして口腔ケアを長く継続していく事を目標にしましょう!

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⓶口腔ケアを始める前に体位を確認

口腔ケアを始める前に体位を整えることは誤嚥の防止に繋がるので、最低限は学んでおきましょう!

 

ギャッチアップは無理せず頼もう

そうはいっても、歯科医師や歯科衛生士ってギャッチアップに不慣れですよね~(^^;) 私も得意ではないです

  

だって、歯科医院で働いている時はギャッチアップなんてほぼ、必要ないんだも~ん。という気持ちです。

 

でも、訪問歯科ではそんなこと言っていられません。なので、ご家族の方や介護士さんに素直に頼みま~す。

 

人間、素直が1番!!

 

患者さんだって慣れている人にして貰った方が、絶対に安心だと思います。

 

拘縮がある方なんかは本当に難しいですよね(^^;)素直にお願いしていくことを勧めます(^^)

 

 

角度は人それぞれです

お願いできない場合もあります。

 

角度は人それぞれなので、ある程度経験が必要な部分でもあります。

 

最初の頃は45度って~??30度って~??(チーーーーン)のレベルでした。

 

最初の頃はスマホの角度計を用いて角度を測りながら、ギャッチアップしてました。

 

その人に合った位置にテープを使ってベットに印をつけたりと色々やりました。

 

今では、長く診させて頂いてる方はできるようになりました。

 

また、ギャッチアップを行う際は足の方を先に上げてから身体を起こすようにしましょう。足の方を上げておかないと、ズリ落ちます。

 

他にも注意点は沢山ありますが、このくらいで‥どんどん、経験してみて下さい。

 

 

床と顎(アゴ)は平行にね

ギャッチアップする際には床と顎は平行にする

という事も頭に入れておくと誤嚥のリスクが下がります。

 

顎が上がりすぎると、ムセます。危ないですよ~。

 

Zラインとも言いますが、床と顎は平行にするように意識しながら行いましょう。

  

戻す時は声かけしながら少しずつね

身体を戻す時、急に戻していませんか?

身体を戻す時は、声かけしながら何段階かに分けて少しずつ戻していきましょう。

 

寝たきりの方のベットを急に戻されると、結構怖いものです。

私も実際に体験してみて怖いと感じました。

 

戻す時はゆっくり声をかけながらにしましょうね😊

 

私の失敗談

今でこそ、体位を整えて~っなんて偉そうな事を言ってますが口腔ケアを始めた頃はギャッチアップのギャの字もよくわかっていないような人間でした(^^;)

 

仰向けの状態で口腔ケアを何度もしてしまいました。

(今、考えると恐ろしい・・・ ごめんなさい)

仰向けで口腔ケア中、苦しかったんだと思います。痙攣を起こしてしまい・・。

あの、恐怖は今でも忘れられません。

 痙攣を起こした時、何がいけなかったのか分からず口腔ケアをしてる先輩や友達の看護師さんにギャッチアップの大切さを教えてもらいました。痙攣をおこした時、舌根沈下していて本当に苦しかったんだとわかりました。

 

みなさんは私のような事はないかも知れませんが、

ギャッチアップが出来る患者さんは必ずギャッチアップを行ってから口腔ケアをしましょう。出来ない方はどちらかに身体や頭を傾けるように工夫しましょう。

③口腔ケア開始

口の中を観察

観察ポイントは出血。腫れ・傷などはないか?口の中の汚れ具合の確認などを行いましょう。

 

マッサージ

唾液腺マッサージや小唾液腺マッサージを簡単に行います。

患者さんが疲れにくい程度にとどめています。

 

 

スポンジブラシにより食べかすなどの除去

スポンジブラシの使い方は

こちらを参考にしてみて下さい↓

 

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ブラッシング(場合により吸引機使用)

ブラッシングを行う時は、患者さんの状態により吸引機を使用しながら行います。

 

吸引機の使い方はこちら↓ 

 

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歯科衛生士さんだと、プラーク綺麗に取り除きたいと思いますが、ここは何度も言ってるように患者さんの状態に合わせて無理しないようにしていきましょう。

 

菌数を減らす気持ちでブラッシングを行って下さい。

 

舌のケア

舌のケアはこすらないことが大切です。低刺激の歯磨剤と電動歯ブラシを使ってみましょう。

誤嚥が心配な方は吸引器を使いましょう

 

 

 

拭き取り

ブラッシング後は拭き取りをします!

拭き取りをしないと、気になって終われないんですよね~。

色々と試しましたが、このウェッティが1番使いやすい♪

 

 

 

お婆ちゃんが入院した時に、このウェッティを置いておくと看護師さんに『これ、使いやすい』と喜ばれました♪歯科衛生士以外の方にも使いやすいんだなぁと嬉しかった出来事です

 

保湿

最後はうすーくワセリンを塗って終了します。状態がよければ、塗らないこともあります。冬場はすぐに乾燥するので、必須ですね(^^)/

 

 

④口腔ケア終了 報告 片付け

 汚染物はすべて持って帰ります。できるだけ、来た状態の時に戻して帰ります。

 

最後に家族やケアマネージャーに報告して終了です。

 

今回は私が実際にしている流れを書かせて頂きました。

 

少しでも、参考になれば嬉しいです。

 

今日も読んで頂き、ありがとうございました。

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