ぴあすの口腔ケアドットコム

歯科衛生士の目線からのお話です。

認知症の特徴に分けて行う口腔ケア・噛む・拒否について~

 

 

こんにちは(^^)/

 

昨日の訪問診療では2人の方がお亡くなりになられていました。

 

日々、このようなことが繰り返されています。

 

その日が最後になっても、後悔のない口腔ケアをできるように精進していきたいと思っています。

 

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今日は、

認知症の方の口腔ケア ~特徴に分けて行うケア・噛む・拒否について~

お話ししていきます。

 

認知症の方への口腔ケアって本当に難しいですよね。

上手くできず、落ち込んでいませんか?

私も最初の頃はストレートな言葉をまともに受けて悲しい思いを何度もしました。

また、自分のブラッシングは正しいのかと悩む日々でした。

 

もし、認知症の方への口腔ケアでお悩みの方がいたら是非 読んで欲しいです。

 

 

[もくじ♡]

 

①認知症の種類と特徴

・アルツハイマー型認知症=食べない認知症

 

・レビー小帯型認知症=誤嚥する認知症

 

・血管性認知症=多彩な症状を示す認知症

 

・前頭側頭型認知症=ケアが難しい認知症

 

②拒否や噛む人への口腔ケア

 

③まとめ

 

詳しく説明していきますね(^^)/ 

 

 

①認知症の種類と特徴

まず、認知症ってひとくくりにされていますが、種類分けにされている事はご存知でしょうか?

 

・アルツハイマー型認知症=食べない認知症

・レビー小体型型認知症=誤嚥する認知症

・血管性認知症=多彩な症状を示す認知症

・前頭側頭型認知症=ケアが難しい認知症

 

 

今回は野原幹二先生の書籍を元に書かせて頂きます。

 

 

野原先生の書籍を読ませて頂いてから、よく何型の認知症なのか確認するようになりました。

  

 アルツハイマー型認知症=食べない認知症

よく聞くのは、アルツハイマー型認知症ですよね。

全体の50パーセントの方はアルツハイマー型認知症

と診断されています。

 

アルツハイマー型認知症の特徴は‥

ソワソワ・きょろきょろという印象が見分ける一つの手がかりです。

 

 

☆患者さんがやっていることや、やっていることをできる限り否定しないことです。

 

☆行動が間違ったことでも、否定するのではなく指摘せず受け流したり他に注意をそらすことが大切です。

 

 

(経験談)

最近拒否が多くなってきた、アルツハイマー型認知症の患者さんがいました。

訪問すると‥『頼んでない、せんでいいっ』と強く拒否されました。

 入れ歯はいっこうに外せそうにない‥‥(^^;)

 

DH『そうか~、嫌だったんやな~ごめんね~』

  『ほな、先にうがいしてみようか~?』

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と言って利用者さんが使っているコップを渡すとすんなり受け入れる。

しっかり、うがいできた!!

 

DH『じゃ、入れ歯外してみてくれる?』

 

すんなり、外してくれた!!

 

その後はスムーズにブラッシングもできて

 

本人も『すっきりしたわ~』と無事終了できました。

 

 

こんな感じで、うがいを自分でしてもらうことで

別に注意を向けることができ、無事にブラッシングできました。

 

 分かりやすい例だったので、参考になれば良いなと思います。

 

補足ですが、アルツハイマー型認知症は『誤嚥の少ない認知症』と言われています。

 

  

レビー小体型認知症=誤嚥する認知症

 

レビー小体型認知症の方の特徴は‥

動作がゆっくりで、目の動きも機敏ではなく、ボーっとしています。

 

 

1、認知機能の変動

=調子の良い時は記憶や注意障害もごく軽度だが、

悪い時は会話はまったく困難になりぼーっとして動きも悪くなる

 

 

2、具体的な幻視

=くっきりとした人や虫などが、幻視として現れ常に色彩を持っているが

幻聴はないというのが特徴

 

 

3、パーキンソニズム

=パーキンソン病でよくみられる症状のことを指しています。

安静時の手足の震え・小さくゆっくりな動き・身体のバランスが崩れ

かけた時に踏みとどまれないなど

 

 

 4、レム睡眠行動障害

=レム睡眠は夢を見ている状態の時。通常は夢い内容を実際の

行動にうつすことはありません。

レム睡眠障害とは夢のまま行動してしまう夜間異常行動のことを言います。

 

 

そのうち2つあてはまれば『ほぼ確実』・1つあてはまれば、『疑いあり』

だそうです。

 

レビー小体型認知症の方は全体の20パーセントとなっています。

 

 

比較的、早い時期から身体症状が現れます

・誤嚥しやすい

・歩行や座位が難しい

 

レビー小体型認知症の方の口腔ケアをする時は誤嚥しないように注意を払っています。

 

調子の良い時と悪い時が結構ハッキリわかります。

 

私が体験したレビー小体型認知症の患者さんはの話ですが、口腔ケアに行くと調子の良い日は機嫌よくお喋りしてきます!ですが、調子の悪い日は何を言っても口腔ケアをさせてはくれません。

顏すら会わしてくれない(^^;)

 

 

なので、口腔ケアに行ったけどケアできない(^^;)では困るので、行く前に施設に電話をし施設の方に調子を聞きます。

調子がよければ、ケアに行きます。悪ければ、日にちを変更しています。

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調子が悪い時に無理にケアをして誤嚥でもしたら大変なので、無理強いはしません。

 

こんな感じで工夫しています。

 

 血管性認知症=多彩な症状を示す認知症

 

血管性認知症の特徴は‥

障害が非常にバリエーションに富むということです。

 

・遂行機能障害‥指示されたこと『だけ』はできますが、

自分から行動を起こすことが苦手になります。

 

・注意障害

 

・歩行障害

 

記憶障害は比較的軽度で、末期まで人格が保たれることが多い

 

 患者さんはわかっているので、ぞんざいな態度はいけません。

人格が保たれているので、主張がハッキリしていたり食事を介助する人

によって反応が異なったりするといった態度になります。

 

また、

【脳卒中=血管性認知症】ではない

 

ということです。

 

両者をひとくくりにしないようにケアすることが大切です。

 

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前頭側頭型認知症=ケアが難しい認知症

その名の通り前頭葉と側頭葉が障害される認知症です。

 

・比較的若い年齢で発症する

若年発症の認知症をみた時は『前頭側頭型認知症かも』と

常に疑ってかからなければなりません。

 

前頭側頭型認知症の臨床診断には5つすべて揃っていることが

必要条件です。

 

1、潜在性の発症と緩徐な進行

=徐々に発症し、ゆっくりと症状が進行していく

 

 

2、人間関係を維持する能力が早期から低下

=他人がどう思っているかという事を気にしなくなる

 

 

3、自己行動の統制が早期から障害

=思ったことを制御することなく、行動にうつす。

注意をしても意に介さず、繰り返し行う

 

 

4、感情が早期から鈍化

=感情が乏しくなります。食事も無表情のまま淡々と食べる。

 

 

5、病識が早期から喪失

=自分ができていない認識やおかしな行動をとっているという自覚が

まったくありません。

 

 

 

前頭側頭型認知症の患者数は少ないの臨床現場では遭遇しないかも

しれないとのことです。

 

理想的なケアやリハビリでは通用しないようなので工夫が大切だと

いうことです。

 

私はいまだ出会ったことがありませが機会があれば

参考にさせて頂きたいと思います。

 

 

②拒否や噛む人への口腔ケア

 

上記のように、認知症の特徴に考慮しながら口腔ケアを行うと拒否や噛む方へのケアが

スムーズになり拒否されたからと言って落ち込むことはないように思います。

 

そうはいっても噛む人のケアは難しいですよね~。

私も苦労しています(^^;)

(噛まれたら、指が何本あっても足りんわ~って気持ちですw)

 

こちらを参考にしてみて下さい↓

 www.piasu-okuchicare.com

 

認知症の方って本当に自分の感情に正直でストレートなので傷つけられることも

ありますよね?(生身の人間ですからね~そりゃ、傷つきます)

でも、これも特徴なんだと思えば少しは傷つく心も軽減されるかもしれませんね。

  

 

今日も読んで頂きありがとうございました。

是非、読者になって頂けると更新の励みになります。

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